title:オヤジからのキラーパス

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Feeded by morning star
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明日から夏休みを取って、1週間ほど帰省してくる。向こうでは、それに合わせて高校時代の仲間で集まって呑もうという計画が進行中らしい。楽しみである。高校を卒業して約30年。今でもことあるごとに集まって呑める仲間がいるというのは、ありがたいことである。今ではさすがに無茶な呑み方はできないが、大学時代は帰省するたびに、仲間たちと深夜の繁華街を千鳥足で徘徊したものである。懐かしい。

あの日も、いつものようにはしごして、みんな相当酩酊していた。何軒目かの店で俺が勘定を済ませて表に出ると、何事かあった様子。見ると仲間の一人mが強面のお兄さんたちに囲まれている。何でもふざけていて、お兄さんたちの乗る車の前に飛び出してしまったらしい。その車に乗っていたのが、運悪くその道の方々だったようだ。「いっぺん説教してやるけん、そこの車乗って事務所来んかいっ!」「すみません…」。車の前に飛び出した当のmは、完全にビビッている。「すみません。許してやってください」。「すみません。僕がこいつのこと押したんです。すみません」何とかお兄さんたちをなだめようとする仲間たち。「学生のくせに、ヘラヘラ酔っ払いやがって」「すみません…」「すんません、すんませんって、謝るんやったら、きちんと土下座して謝らんかいっ!」。反射的に土下座の体制をとるm。「ほらぁ、お前ら全員じゃ。皆で土下座せんかい」。このころになってようやく事態が飲み込めてきた俺も、仕方なく皆に倣って地面に膝をつく…、その時だった。「すみませんって、何べんも謝まっとるやろがっ!」。Mだ!仲間の何人かが、あわててMを取り押さえ、土下座の体制をとらせる。「こらぁ、放さんかっ!何で、俺らがこいつらに土下座せないかんのや!えっ!」。「ええけん!悪いんはこっちやけん、とにかく謝ろ」。彼を取り押さえようとする皆。それでもなお、仲間の手を振り切ろうとするM。「ほら、そこの威勢のいい兄ちゃんもや。ちゃんと土下座せんか」「…!」。何か言おうとするM。「Mっ!」。眼で訴える俺。ものすごい形相で俺を睨み返すM。次の瞬間…、Mは皆と同じように頭を下げた。

それで俺たちはようやくお兄さんたちから解放されたわけだが、それからがまたひと悶着であった。「Aよ、何であんなんに土下座せないかんのやっ!」。俺に激しく詰め寄るM。「しゃあないやろ。悪いんはこっちやし、それに相手はヤーやぞ」。「ほやけん、何でヤーにやらに土下座せないかんのや!ええ、言うてみいっ!」。Mの言う通りである。俺の中にも、忸怩たる思いが沈殿していた。返す言葉がない…。「Aは悪くない。悪いんは俺や」。拉致されかけたmである。「皆が土下座してくれたけん、俺も連れて行かれんかったし、誰も怪我せんとすんだんや。皆には嫌な思いさせてすまんかった…」。その言葉に、しぶしぶMは怒りの矛先を収めた。

その時である。1台の車が我々の近くで止まった。「すみません。この先の道は車通れますか?」。指差す先はアーケード街で、もちろん昼間は車は進入禁止であった。ただ、こうして夜中まで呑み歩いていると、時々その中を走行する車を見かけることがある。Mが答える。「多分通れると思いますよ」。その答えを聞いて、車はアーケード街へと入っていった。その車の後を追うように、俺たちもまた人通りのないアーケード街を次の店へと歩き始めた。と、突然Mがものすごい勢いで走り始めた。その先を見ると、先ほどの車が警官に止められている。やはり進入禁止だったのか…!俺たちもMの後を追う。

「すみません。この人たち悪うないんです。僕が、ここ通れるって言うたんです」。Mが警官に経緯を説明する。「あ、ほうな。そやけど、違反は違反やけんな」「すみません。免許証見せていただけますか」。Mに取りあわず、切符を切ろうとする警官。「ほやけん、この人たちは悪うないって、言うとるやろが!」。しつこく食い下がるM。「いや、いいんですよ。仕方がないです」。「すみません。僕が間違ったこと言うたけん」。Mと運転者のやり取りにかまわず切符に記入を始める警官。「こらぁ、何べん言うたら分かるんや!この人たちは悪うないって言うとるやろが!」。切符をむしり取ろうとするM。あわてて皆でMを取り押さえる。「切符切るなら、俺に切れや!」。って、お前免許持ってないやろ…。「こら!切符切るな言うとるやろが!」。「あのなキミ、これ以上邪魔すると公務執行妨害になるよ」。俺たちは運転者に謝り、抗うMを引きずってその場を離れた。「こら!ボケ警官!」「お前、そんなん捕まえて、何がおもろいんやっ!」「捕まえるんやったら、しょーもないヤーとか、捕まえんかいっ!」。Mの咆哮が無人のアーケード街にこだましていた。

ひと晩のうちに、ヤーサンとケーサツの両方に噛み付いたM。酔っ払うと何もかもいい加減になる輩とは違って、酔うほどに真っ直ぐなその心根が研ぎ澄まされていく、純粋な男。そんな奴らともうすぐ、旨い酒が呑める。



Feeded by morning star
【2006/08/09 13:57 】 Old Days | コメント(4) | トラックバック(0) |

まるでドラマのワンシーンですね。
それにしてもこの記事を読む限りヤ-様のほうが
警察よりも人情に厚い?(笑)
そのMさんは今も変わらぬ熱血漢なんでしょうか?
若い時のパワー。維持していらっしゃるでしょうか。

よい夏休みを・・・

Returned by ともちゃん #-|URL|
【2006/08/09 19:16】[ 編集 ]

ともちゃんへ

Mは決して熱血漢というタイプではありません。
どちらかというと知的で物静かなほうだと思います。
しかし、曲がったことが大嫌いな性格であるのは間違いないです。
今では、私たちにも危険回避能力が身についたのか、
呑んで問題に遭遇するようなことはありません。
今、彼が当時と同じ状況に遭遇したら…。
それは私にも分かりません。
もし、向こうで会えたら聞いてみます(笑)。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2006/08/09 19:29】[ 編集 ]

酔っ払って人格が変わる人は要注意ですね。でもよくMさんヤー様に食って掛かりましたね。確かにそこまでしなくても、と思いますがあの状況ではやはりね。
私も昔、酔っ払ってベンツのおにーさんに喧嘩売った先輩(女性)を止めたことがありました。心臓がとまりそうでした。

良い仲間とゆっくり昔話を肴に旨い酒を楽しんできてください。

Returned by マスター #-|URL|
【2006/08/10 23:19】[ 編集 ]

マスターさんへ

Mの場合は人格が変わるというより、
普段からそういう曲がったことが嫌いな性格なのです。
それが酔うと、たとえ相手が誰であろうと
その思いを貫き通す一途さがさらに増すような感じでした。

しかし、マスターさんの先輩女性も人物です(笑)。
こういう人と呑むと、周りはひやひやものですよね。

Returned by morning star #-|URL|
【2006/08/11 09:27】[ 編集 ]












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