title:オヤジからのキラーパス

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Feeded by morning star
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昨日、用事があって都内某所に出かけた。その近くには有名な老舗蕎麦屋がある。そこで俺は、昼食を抜いて、用件を済ませた後にその店で蕎麦をたぐりながら一杯、というよからぬ計画を立てていた。

ところが、である。とっとと用件をやっつけて老舗蕎麦屋に行ってみると、これがあろうことか定休日…。しかし、気分はすでに「蕎麦屋で一杯」モードである。仕方なくあたりをぶらついてみると、何とおあつらえ向きに蕎麦屋があるではないか。俺は一も二もなくその店に飛び込んだ。店内には誰もない。午後ののんびりとした蕎麦屋の風情を独り占めである。老舗蕎麦屋には振られたが、これはこれでよいではないか。早速、お新香と板わさ、天ざるを注文。もちろん日本酒を1本つける。

最初に運ばれてきたお新香と板わさで日本酒をやる。お新香も板わさもあまりよろしくない。が、それはまだ些細なこと。何よりも酒がまったく駄目である。何とも頼りない味がする。念のために原材料を見てみると、米、麹、醸造用アルコール、糖類、酸味料と添加物てんこ盛りのくせに、実に薄っぺらな味がする。こいつは今ではめったにお眼にすることのできない三倍醸造酒か…?と嘆きつつも、さらに1本追加する。

しばらくして天ざるが運ばれてくる。天ぷらもひと目見て期待できないと分かった。ぽってりとした衣を無理やりカラッと揚げようとしたのか、分厚い衣の端のほうが茶色くこげている。覚悟を決めた上で口にしてみる。予想通り、焦げた香りが口の中に広がる。それでいて中は火の通りが悪くべとついている。まずい天ぷらをまずい日本酒で無理やり胃の中に押し込む。こうしてなんとか、つまみと日本酒をやっつけて蕎麦にありついた。

蕎麦の方は更科系の蕎麦らしく、白っぽい上品な色をしている。蕎麦屋は蕎麦を食わせるところである。肝心の蕎麦がうまければ文句はあるまい。どうやら蕎麦だけは期待できそうである。

蕎麦をたぐり、蕎麦つゆにちょこんとつける。ズズズッと一気にすする。う~~~~~ん。…うん?まったく蕎麦の香りがしない。こいつは1割蕎麦か?それとも香りの飛んだ蕎麦粉を使ってつなぎの小麦粉を多めにあわせるとこんな風味に仕上がるのか。とにかく今までに口にしたことのない、極力蕎麦の気配を消した蕎麦であることだけは間違いない。きっとこの蕎麦屋秘伝の調合の賜物なのであろう。まるで、コシのない細うどんを食べているような蕎麦、と言ったら細うどんに失礼か。おまけに蕎麦つゆがまたすごい。醤油と味醂をそのまま水で薄めたものと大差ない。とんでもない蕎麦に出会ってしまったものである。

このような蕎麦屋が老舗蕎麦屋から2、30mしか離れていない場所で存続できていること自体が不思議である。そういえば途中で入ってきた2人の客が注文したのは、カレーうどんとかき玉うどん。数日後の出前の予約に来た客が注文していったのが、十数人分のカレーライスと親子丼だった。この蕎麦屋では蕎麦以外のものを頼むのが王道なのかもしれない。

こうして老舗蕎麦屋を訪れるつもりだった俺は、その対極にあるといってもいい蕎麦屋を体験することになってしまったわけである。悲惨ともいえる経験だったが、何故か俺の中には、怒りも後悔もなかった。それどころか、店を後にした俺はささやかな幸福感に包まれていた。つまみがいまいちだろうか、酒がまずかろうが、蕎麦がとんでもなかろうが、そんなものは些細なことではないか。まだ外が明るいうちから徳利を傾け、ゆっくりと一人で酒を呑む、その行為だけで俺にとっては大きな贅沢である。いやあ、小さいなぁ、俺って。



Feeded by morning star
【2007/04/13 12:44 】 Foods | コメント(12) | トラックバック(0) |

怒り心頭と思いきや贅沢を実感されたようでよかったです。
小さいどころか大きいです。(笑)

以前こちらには珍しいチャルメラ(屋台ラーメン)が来て
話の種に注文した事がありました。
ところがスープがぬるいし面は半生。
あの時の私もなぜか怒りは湧いてこなかったです。
夜中にこんなまずいラーメンを作っているおじさんが
お気の毒で・・・。(笑)

Returned by ともちゃん #-|URL|
【2007/04/13 15:34】[ 編集 ]

ともちゃんへ

>怒り心頭と思いきや贅沢を実感されたようでよかったです。
決して安くない値段を取っておきながら
そこそこのものしか出さないような店のほうが
よっぽど頭にきますね。
そういう店の場合、それなりに美味しくても
値段に見合ったものかと言うと決してそうではありません。
その点、庶民的な値段のお店の場合は
たいていのことが許せてしまいます(笑)。
ともちゃんの経験したチャルメラも
その類いではないでしょうか。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2007/04/13 16:01】[ 編集 ]

何かとことんやられてしまいましたね。
全てがハズレの店もめずらしいのでは。
うちの近くにも客の9割がラーメンを頼む蕎麦屋があります。
その半数はタクシーの運転手。

Returned by マスター #-|URL|
【2007/04/14 04:14】[ 編集 ]

下から2行目:


訂正箇所「ゆっくりと一人で酒を呑む、その行為だけで・・・」

正しくは「ゆっくりと二人で酒を呑む、その行為だけで・・・」


Returned by 文字校正責任者 #tHX44QXM|URL|
【2007/04/14 16:41】[ 編集 ]

なぜかはずれのお店にあたるとうれしいです。
美味い店、普通の店、まずい店
美味い店はゆうことなしです。
普通の店はあまり記憶に残りません。
まずい店は絶対に行かないようにするので記憶に残ります。
つでに味まで覚えています。

私のベスト1のまずいラーメン屋ですが、後輩と昼時に「たまには違う店でも行くか」でいろいろ探してみて外見の雰囲気であるラーメン屋さんい入りました。そこでラーメンを注文し、おばちゃんが急に「チャーシューおまけしておいたよ」と言ってラーメンが出てきました。そのラーメンのスープを飲んだ瞬間「まずい!」と後輩と目を見合わせた。次におまけのチャーシューも食べると殆ど脂のチャーシューでこれもますい!麺は普通だろうと思い食べてみるとこれまたゴムみたいな麺。全てまずいラーメンだった。おまけのチャーシューを残すわけにもいかないので、ラーメンの下に隠して残しお金を払って出ようとした瞬間、「まだ残っているよ~」速攻逃げました。今でもその食感が忘れられません!

Returned by ラビット #-|URL|
【2007/04/14 21:59】[ 編集 ]

マスターさんへ

たまにありますよね。
ラーメン(中華そば)のうまい蕎麦屋。
私が知っている店もそんな1軒です。
蕎麦を食べるつもりでその店に行くのですが、
いざとなるとラーメンにしようかとひどく迷います(笑)。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2007/04/16 15:05】[ 編集 ]

文字校正責任者さんへ

職業柄HNにはドキッとさせられました(笑)。

>正しくは「ゆっくりと二人で酒を呑む、その行為だけで・・・」
どうやら文字校正責任者さんが
深読みしているような(笑)気の置けない女性と一緒なら、
その後に続く部分も「大きな贅沢」ではなく
「身に余る贅沢」としなくてはいけません。
この部分は表記通りに読んでいただいて結構です(笑)。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2007/04/16 15:07】[ 編集 ]

ラビットさんへ

逃げ出したくなるほどのラーメン、すごいです。
私の蕎麦屋体験と同じく、ある意味貴重な体験です。
そうめったに出会えるものではありません(笑)。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2007/04/16 15:09】[ 編集 ]

演出にしても、もうちょっと色気のある展開、ないのかよ?!
それじゃ、キラーパスになってないじゃないかぁ・・・おぉ~い。

Returned by 編集者 #2jBCKKWg|URL|
【2007/04/16 20:09】[ 編集 ]

前に勤めてた会社の上司が、
出張で長野に行った時のこと。
たまたま入ったそば屋が相当まずかったらしく、
「この辺に信州そばの店ある?」
と、その店の主人に真顔で尋ねていたそうです。

Returned by びっきい #-|URL|
【2007/04/16 20:55】[ 編集 ]

編集者さんへ

>もうちょっと色気のある展開、ないのかよ?!
ねえ(笑)。
色気のある話題を書けるような
楽しい機会をぜひご提供ください。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2007/04/17 10:39】[ 編集 ]

びっきいさんへ

>「この辺に信州そばの店ある?」
うまい!
笑えます。

>前に勤めてた会社の上司
さて、誰だろう…?
こんな気の利いたコメントができる人がいたかなぁ…。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2007/04/17 10:44】[ 編集 ]












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