title:オヤジからのキラーパス

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Feeded by morning star
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「ぼくは店をあけたばかりのバーが好きなんだ。店の中の空気がまだきれいで、冷たくて、何もかもぴかぴかに光っていて、バーテンが鏡に向かって、ネクタイが曲がっていないか、髪が乱れていないかを確かめている。酒のびんがきれいにならび、グラスが美しく光って、客を待っているバーテンがその晩最初の一杯をふって、きれいなマットの上におき、折りたたんだ小さなナプキンをそえる。それをゆっくり味わう。静かなバーでの最初の静かな一杯──こんなすばらしいものはないぜ」

これは、レイモンド・チャンドラー著の『長いお別れ』の中に出てくる一節である。この小説はチャンドラーの最高傑作といっていい作品で、「ギムレットには早すぎるね」という名台詞があまりにも有名だが、俺はこの件(くだり)もたいそう気に入っている。友人テリー・レノックスが言ったこの言葉の後に、主人公フィリップ・マーロウの思いとして「私は彼に賛成した」と続くのだが、もちろん俺も彼に賛成である。

開店直後の、それもまっとうな呑み屋だけが醸すことのできる、清冽さに満たされた時間。口開けのあのすがすがしさは、何もオーセンティックなバーに限ったことではあるまい。小さな呑み屋の小さなカウンターがきれいに磨かれていて、澄んだ空気の中で椅子がきちんと揃えられ、端正な佇まいで客を待っている。そのうちのひとつを引いて腰を掛けると、ママから熱いおしぼりが手渡される。箸置きと箸が揃えられ、コースターが用意される。最初の一杯の最初のひと口が喉を滑り落ちるころに合わせて、その日のお通しが出てくる。新しい夜が、ゆっくりとはじまっていく不思議な時間。

先発ピッチャーが誰にも荒らされていないマウンドに上がるときのように。そして、フットボーラーがきれいに刈り込まれたピッチに足を踏み入れるときのように。酒呑み人もまた、まだ誰も手にも染まっていない、まっさらな雰囲気に酔う。やがて、客が1人、2人と増え、いつしかその空間は、心地よい喧騒と紫煙で満たされていくことになる。いい店は、そこでもまた酒呑み人を酔わせる。



Feeded by morning star
【2006/11/06 18:30 】 Drinking | コメント(10) | トラックバック(0) |

店をあけたばかりのバー・・・
先日、経験しました。
一番美味しいお酒って楽しい会話がなければ、素敵なバーも最高のバーテンダーも台無しですよね。

Returned by 不良主婦 #-|URL|
【2006/11/06 19:01】[ 編集 ]

そんなハードボイルドではありませんが、私も彼に賛成です。
その日の一番に客になった時は、その店が自分のものになった気分になりますね。
あとは逆に、客が全員帰った後の椅子をカウンターに上げて掃除をしているバーテンと二人きりで、好きなCDを聞きながらバーボングラスを傾ける。
そんな時間も好きです。

Returned by マスター(治療中) #-|URL|
【2006/11/06 23:54】[ 編集 ]

一番最初の客にはあまりなったことがありません。だいたいのパターンが、居酒屋→居酒屋→スナックになるので、いつも遅い時間になります。それでも最初の客になるとなんか得した気分になります。それはカラオケが歌い放題になるからです。
今回の話題とはちょっと離れてしまいすみません。私の飲みパターンをさらけ出してしまいました。

Returned by ラビット #-|URL|
【2006/11/07 08:40】[ 編集 ]

夜の街にはめったに出かけませんが
開店して一番のお客さんになることはよくあります。
美容院とかランチのお店とか。
お店側から見ても初めてのお客さんが
男女かで今日の売上予想する事があるみたいですね。
一番に入る時はちょっとした気恥ずかしさがあります。

Returned by ともちゃん #-|URL|
【2006/11/07 10:02】[ 編集 ]

不良主婦さんへ

私は最近、バーなるものにとんと足を踏み入れていませんね。
もっぱら、例の店ですから(笑)。
おっしゃるとおり、いくら店の雰囲気が良くても、
楽しい会話がなくては画龍点睛を欠きますね。
あの店にはその両方がちゃんとあります。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2006/11/07 10:26】[ 編集 ]

マスターさんへ

そうでした。
呑み屋には最後の客という楽しみもありましたね。
静かな店内で1人グラスを傾けていると、
さっきまでの喧騒がまるで遠い過去のように思えるあの時間。
私も好きです。

ん?結局は呑んでいればいつでもいいということになりますか(笑)。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2006/11/07 10:29】[ 編集 ]

ラビットさんへ

私も最初の客になることはめったにありません。
今日は早いかなぁ、と思って顔を出してみると
すでに先客がいたりして。
なかなか、難しいものですよね。
何しろ最初の客という特権は
1日に1人にしか与えられませんから…。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2006/11/07 10:32】[ 編集 ]

ともちゃんへ

なるほど、美容院の最初の客になるというのも
早い時間のバーと同じ趣きがあるかもしれませんね。
隅々まで掃除が行き届き、
すべての道具がきちんと並べられている。
気持ちよさそうです。

それにしても、最初の客が男か女かで売上が変わるんですか?
それによっては私もあまり迷惑をかけないようにしないといけませんね(笑)。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2006/11/07 10:40】[ 編集 ]

その「澄んだ空気・・・」が、ずっと続いているといいんですけどねぇ~。
かくいうワタシも、惚れた♂の、ちょっと一本・・・は、ゆるしてしまう、かも。

Returned by 気管紫煙 #JalddpaA|URL|
【2006/11/08 23:44】[ 編集 ]

気管紫煙さんへ

惚れた♂の、ちょっと一本限定なのですね(笑)。

Returned by morning star #VizADBpE|URL|
【2006/11/09 12:11】[ 編集 ]












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