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title:オヤジからのキラーパス

数日前から、いつもオフィスの清掃をしてくれていたパートの女性の姿が見えない。歳の頃でいうと、俺の母親ぐらいであろうか。その彼女がいなくなってしばらくの間は、清掃会社の正社員と思しき男性が清掃に来ていた。今日からは、パートと思われる違う女性が清掃に来はじめた。単に担当が替わっただけなのか、あるいは彼女が仕事を辞めてしまったのか、その実情は知る由もない。

彼女の働きぶりは、いわゆる「掃除のオバサン」の仕事を超えた実に誠実なものだった。目立たないような場所の、それもさほど気にならないような汚れを丁寧に落としている彼女の姿を幾度も眼にしたことがある。少し席をはずして戻ってくると、机の上の灰皿がきれいになっていることもたびたびあった。それも単に吸殻を捨てただけではなく、灰皿までもピカピカにしてくれていた。「ありがとうございます」と礼を言うと、ほとんど聞き取れないような小さな声で「いいえ」とだけ応えるのが常だった。たまに会社近くの路上で、出勤前や勤務後の私服姿の彼女を見かけることもあった。挨拶をすると、必ず立ち止まって小さく会釈を返してくれた。その身なりは質素でありながら品がよく、仕草と相まってとても可憐に見えた。

どこにでもいそうな、まさに「市井の人」といった感じの人だったけれど、実際にはこういう人はなかなかいないものである。

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Feeded by morning star
【2006/12/11 22:44 】 Woman | コメント(6) | トラックバック(0) |