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title:オヤジからのキラーパス

中学時代の友人から電話がかかってきた。

まずい…!返事してなかった。

5月に開かれる中学校の同窓会の幹事が集まって、呑みながら打ち合わせをしているところだと言う。呑んでいるうちに、「あいつはどうしてる?」という話になって電話してきたらしい。返事の期日はとっくに過ぎている…。

「で、どないするん?」
「遠いし、金ないし、行けんわ」
「そりゃ、残念やのぉ。その代わりと言うたらなんやけど、ちょっと待っとき…」
「???」
「もしもし…私ですけど、分かります?」
「分かるわけないやろ、誰や」
「○○です…」
「あっ…!」


それこそ30数年ぶりにその女性の存在を思い出した。忘れもしない(忘れていたのだが…)、生まれて初めてラブレターを出した相手だ。中学1年のときに、交際を申し込んだその彼女だ。

涼しげでいかにも聡明そうな瞳。バスケットで鍛えたしなやかな肢体。バンビのような躍動感…。入学してほどなく、俺はそんな彼女の魅力の虜になっていった。そして生まれて初めてのラブレターを書いた。「君のことが好きです。お付き合いしてください」そんな芸のないストレートな内容の手紙だったように記憶している。それから1日、2日と、ドキドキしながら返事を待った。そしてその答えは…、

Yes!

ところがだ…。

いざ、お付き合いしましょうという返事をもらって俺は戸惑った。

何をすればいいの?

クラスが違うから、当然教室は別。クラブも違うから下校時間もばらばら。休みの日もお互いにクラブ漬け。中学1年生の身で喫茶店や映画館に入ることなどなど思いつきもしなかった。恥ずかしい話、どうやって付き合えばいいのかさっぱり分からなかったのである。たまに廊下ですれ違うときに眼が合ってニコっと微笑まれても、こわばった笑みしか返せなかった。付き合ってくれるという彼女がいながら、つまり…、

付き合うってどういうこと??

状態だったのだ。何してたんだ、俺!結局、彼女とはそのまま何もなく自然消滅…。純情というか、初心というか、とにかく当時の俺は、すぐに相手が望む以上のお付き合いを迫る今の俺とはまるで別人だったのだ。

「元気?」
「うん」
「幹事、大変やろ。何人ぐらい来るん?」
(久しぶりだというのに他に話すことはないのか!)
「百数十人ぐらいかなぁ」
「学年600人でそのくらいかぁ…」
(だから、そういう話がしたいのかぁ!)
「卒業してから初めての同窓会やけん、連絡の取れん人も結構いて…」
「そりゃそうや…」
(それじゃ、話が続かないぞ!)

何を話しているんだ、俺!

結局、本当にたわいもない話だけして、電話を切った。まるで中学1年生のときのように、何をすればいいか分からず、ただおどおどとして…。
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Feeded by morning star
【2006/04/20 16:08 】 Woman | コメント(2) | トラックバック(0) |