title:オヤジからのキラーパス

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Feeded by morning star
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最近、本を買うのはもっぱらBOOK OFFである。それもほとんどが100円コーナーの本。当然、在庫は限られている。同じ人気作家でも、赤川次郎、落合信彦、志茂田景樹、西村京太郎あたりの著作は腐るほどあるが、それに比べると池波正太郎などの作品は意外に少ない。それぞれの作家の世の中での消費のされ方が見えて面白い。

BOOK OFFでお目当ての本そのものズバリが手に入ることは稀である。100円コーナーに限ればなおさらのことだ。俺の場合、読みたい本を買うのではなく、その日その店にある本の中から買う本を選ぶ。そういうことになる。

先週末も、暇つぶしを兼ねてBOOK OFFを覗いてみた。この店で前の週に何気なく買い求めた横山秀夫の『陰の季節』がことのほか良かった(『半落ち』や『クライマーズハイ』を凌ぐ出来だな)。100円コーナー縛りの本読みで、こういう「アタリ」に出会うとものすごく得をした気分になる。そんな背景があって、その日も横山秀夫の作品を105円でお買い上げ。横山氏には悪いが、彼の印税収入に何ら貢献することなく『動機』を手に入れた。

早速家で読み始めると、本に何かが挟まっているのに気づいた。本を買ったときに店員さんがサービスで挟んでくれる栞だ。もちろんBOOK OFFにはこんな気のきいたサービスはない。前の所有者が使用していたものがそのまま残っていたのだろう。何度も同じところから読み返してしまう俺にはありがたい。さらに4分の3まで読み進んだときのことだった。それは栞のような存在感もなく、あるページをめくると突然現れた。

旭屋書店水道橋店
2006年11月13日(月)18:54
文庫本一般 内  ¥539
小計         ¥539
内税対象額    ¥539
(消費税等内税  ¥25) 
合計         ¥539

お預り        ¥600
お釣り         ¥61


多分、この本の領収書だろう。本のカバーには「本体514円+税」と記されているが、5%上乗せすれば内税で539円くらいになるはずだ。金額的に合致する。買ったのは、横山秀夫の読者層から推測すると、水道橋近くで働く中年サラリーマン。買い上げ時刻から考えると、帰宅途中の電車で読むために購入したものか。横山秀夫の作品に登場する人物の多くがそうであるように、彼もまた組織の中でがんじがらめになりながら、自らの存在意義を賭して抗う一人なのかもしれない…。

推理小説やサスペンスなどを読んでいる途中で、不意にこういうものに出くわすと、何の意味もない紙片をもとに、これまた無意味な推理?邪推?妄想?してしまうことになる。




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Feeded by morning star
【2009/09/07 19:03 】 Books | コメント(2) | トラックバック(0) |

現在上映中の映画「パヒューム~ある人殺しの物語」の原作「香水」を読んだ。物語は18世紀のフランスにある類い稀なる才能を持った男が生れ落ちるところから始まる。その才能とはこの世のありとあらゆる匂いを嗅ぎ分けること。男はこの世のものすべてを匂いによって認識した。やがて男はその天分を生かし、天才調香師として自在に匂いを操るようになる。その彼がある日、至高の匂いに出会う。それは一人の少女が発する匂いであった。その匂いへの焦がれるような思いが、彼を殺人へと駆り立てる。彼は少女と同じ匂いの持ち主と出会うたびに、少女たちを殺めていく。至高の匂いを自らの手で創造するための「原料」を採取するために…。

彼にとっては、生身の人間もひとつの匂いに過ぎなかった。同時に彼自身にはまったく匂いがなかった。匂いこそが存在の証しであり根源である彼にとって、それは自らの存在の無を意味していた。物語の根底には、そうした主人公の生に対する関心の希薄さと自己の喪失感が基調として流れている。そのことが、ともすれば荒唐無稽になりがちな奇想天外なストーリーを、きちんとした読み物として繋ぎとめている。俗な結末に行き着いてしまうのでは…と思わせるラストも危ういところをスルリと抜けて、鮮やかに立ち消えていく。丁度、上品な香水ように、余韻という痕跡を残しつつ、跡形もない。久々に出会った不思議な読後感の残る作品だった。ちょっと違うのだが、あえて言うならロアルド・ダールやヘンリー・スレッサーの作品を読んだ後に感じるような奇妙な充足感があった。




Feeded by morning star
【2007/04/18 16:42 】 Books | コメント(12) | トラックバック(0) |

俺には、食わず嫌いならぬ、読まず嫌いというものがある。渡辺淳一の作品もそのひとつであろう。「化身」「失楽園」「愛の流刑地」などは映画化もされ、それなりに話題にはなっているようだが、どうしても読む気になれない。

「愛の流刑地」に関する作者の言葉として次のような言葉が紹介されている。「精神と肉体と両方がつながり密着し、心身ともに狂おしく燃えてこそ、愛は純化され、至上のものとなる」。はい。で、それが何か?「今度の小説は、その純愛のきわみのエクスタシーがテーマである。その頂点に昇りつめて感じた人と、いまだ知らぬ人との戦いである。最高の愉悦を感じるか否かは、知性や論理の問題ではなく、感性の問題である」。あ、なるほど!俺にはその感性がないんだ。納得。どおりで読む気になれないわけだ。

先にあげた作品はいずれも日本経済新聞に連載されたものである。どうやら日経の読者の皆さんはそういう感性を持ち合わせていらっしゃるようである。少なくとも日経は、そう判断しているようである。せいぜい精読されて、その感性とやらを刺激されるが良いであろう。そうした感性を持ち合わせていない俺は素通りさせていただく。「読んでもいないくせに」という批判もあるだろうが、とにかく、読む気にもなれないのだから、仕方がない…。



Feeded by morning star
【2007/03/08 18:04 】 Books | コメント(16) | トラックバック(0) |

今週発売の『週刊朝日』をパラパラとめくっていたら、眼を奪われる記事がひとつ飛び込んできた。それは村上春樹氏に関する記事の中にあった。ご存じのように村上氏は翻訳家としても知られる。2003年にサリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)』を新訳したのは記憶に新しい。今度はそれに加えて、『グレート・ギャツビー』の新訳版を11月10日に出すというのだ。作者はヘミングウェイと並んでロスト・ジェネレーションを代表する作家と称されるS・フィッツジェラルド。彼の手によるこの作品は、その昔、ロバート・レッドフォードが主演した映画『華麗なるギャツビー』の原作としても知られている。

が、驚きは何とこれだけではなかった。昨日のブログでその一説を紹介した『長いお別れ(ロング・グッドバイ)』の新訳も来春出版される予定だというのだ。俺にとってこの作品ほど何回も読んだ本は数少ない。高校時代に初めて読んでから、かれこれ10数回は読み返しているはずだ。それだけにお気に入りのフレーズも少なくない。昨日紹介したのもそうした中のひとつだった。

俺にとって長い間、『長いお別れ』といえば、ぼろぼろに朽ちたハヤカワ・ミステリ文庫の清水俊二訳以外にありえなかった。俺が慣れ親しんできた『長いお別れ』が、村上訳によってどのような趣きの作品に変わるのか。あの名台詞「ギムレットにはまだ早すぎるね」は、はたしてどのように訳されるのか。とても興味深い。



Feeded by morning star
【2006/11/07 17:21 】 Books | コメント(8) | トラックバック(0) |

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