title:オヤジからのキラーパス

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Feeded by morning star
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久しぶりに、新丸子の「食堂」で呑んできた。前回顔を出したのは、かれこれ8、9カ月も前のこと。驚いたことに、その時に遭遇した爺さんにまたもお目にかかった。まれにしか行かないのに、毎回会うということは、爺さんは毎日来ているに違いない。だとすれば、爺さんと会ったところで驚くこともないか。この店での爺さんとの遭遇は、偶然ではなく必然だ。

この爺さんのことは以前にも記事を書いた。その時は、冷やしトマトで、日本酒を2本飲んで帰られたが、この日は冷奴をアテにやはり日本酒を2本召し上がられた。その支払いの時である。爺さんが取り出したのはなんと二折りの革の財布。前回は、ビニールのおもちゃのような財布だったのに。財布に頓着するような爺さんではないので、きっと家族か誰かからのプレゼントなんだろう。つくづく爺さん幸せ者である。


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【2014/05/14 22:36 】 Drinking | コメント(0) | トラックバック(0) |

最近行った、とある呑み屋でのこと。安くて旨いもつ焼きと生レモンのサワーで知られるその店は、週日のそこそこ早い時間だというのにカウンターはいっぱい。4人掛けの安テーブルで70過ぎと思われる爺さんとの相席となった。繁盛店であるこの店では、ままあることである。

呑み始めてしばらくすると、目の前の爺さんがくしゃみの発作に見舞われる。大げさでなく10回近く連発したのではなかろうか。「どうも、すまんねぇ」。これをきっかけに爺さんが話しかけてきた。爺さんは店の近くに住んでいるらしいが、ここへは久しぶりに来たという。何でも、年上の彼女と付き合っていて、奥さんはもちろん、近所の目もあるのであまり家の近くでは飲み歩けなかったとのこと。ところが最近になってその彼女が膝を痛めて一緒に出歩けなくなったため、久々に近所のこの店を訪れたらしい。

爺さんは自称遊び人で、今でも浅草あたりのスナックを飲み歩いているらしい。時間と金があるお年寄りに、よくあるパターンだ。その爺さん、ひと通り自分のことを話し終えると、矛先を俺の方へ向けてきた。「あんたはこの年の俺から言わせれば、男盛りだ。遊ばにゃきゃもったいない!」とのお説教がはじまる。ありがたいお言葉ですが、もう男盛りでもなく、お金も、時間も、あんたほど持ち合わせていないもんでね。不相応なことは遠慮しときます。

そのあとカウンターが空いて店の人が席を移してくれたのはいいが、何と爺さんまでセットでついてきて、隣り合わせに。爺さん今度は、カウンターの中のおばちゃんにちょっかいを出し始める。「あんた、いい女だね」「今度飲みに行こうよ」。カウンターを乗り越えて向こう側まで乗り込みそうな勢いだ。俺との会話じゃつまらなかったんだろうね。その日は、小一時間ほど飲んで、爺さんを残して店を出た。

後日、再びその店を訪れた。あの日爺さんに誘われていた店のおばちゃんが、俺を見つけるなり、話しかけてきた。「あの日、あんたが帰った後、あの爺さんひどかったのよ」。何でも、おばちゃんの胸は触るわ、女性のグループ客に「お前らブスだな」などと暴言を吐くわ、気のいい爺さんから変貌したそうな。

いろんな人間がいて、やっぱり酒場は面白い。惜しむらくは爺さんよ、自称遊び人にしては、呑み方がちょいとスマートじゃなかったね。




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【2014/03/18 21:50 】 Drinking | コメント(0) | トラックバック(0) |

新丸子に、昔から地元の人に愛されてきた食堂がある。「食堂」と名乗ってはいるが、昼間から一杯呑んでいる人でにぎわっている、半分呑み屋のような、というかほとんど呑み屋ともいえる店だ。先日、久しぶりにこの店に顔を出してきた。

ハムエッグでハイボールをやっていると、テーブルの向かい側に地元の人と思しきご老人が座った。ステテコにランニングシャツといういでたち。いかにも近所からぶらりと一杯ひっかけにやってきたという風情だ。

ほどなく、日本酒と冷やしトマトがじいさんのもとに届く。爺さんは卓上の塩をトマトにたっぷり目にかける。トマトの切り口には、食塩の粒が浮いている。その塩辛そうなトマトを口元まで持ってきたとき、箸からポロリと落ちた。どうやら爺さん、酔いのせいではなく、そもそも手元が覚束ないようである。爺さんは、テーブルに落ちたトマトを皿の上に戻すと、またもトマトに塩を振り始める。「そいつは相当しょっぱいぞ…」という俺の心配をよそに、今度は手づかみでむしゃむしゃとトマトを食べ始めた。そんな嗜好でよくぞそこまで長生きできたものである。

見ていると、爺さんは歯の方もあまり調子がよろしくないようで、どうやらトマトの皮が噛み切れない様子。仕方なく、柔らかな果肉部分だけをしゃぶるように食べて、皮の部分を残していく。途中、日本酒をもう一本追加し、トマトを食べ終わったときには、皿の上に1個分のトマトの皮が残されていた。

爺さんがお会計を頼む。お銚子2本に冷やしトマトで900円。かわいらしいビニールの財布から折りたたんだ千円札を取り出し、おつりの百円玉を大切そうに受け取ると、千鳥足で帰って行った。

ところがこの日、爺さんの姿を見たのはそれが最後ではなかった。爺さんの残していった残骸がきれいに片付けされたころだった。再び店に戻ってきて、店員を呼ぶ。「ここに100円落ちてなかったかね」。「何もなかったよ」と女性店員。爺さん、100円玉はさっき財布の中に入れてたよ…。

どうしても諦めきれないという表情を浮かべながら帰っていく、爺さん。しかし、その夜はまだ続きがあった。数分後、爺さんは三たび俺の眼前に現れた。今度は、鍵は落ちてなかったかと聞いている。100円同様、鍵もあたりには見当たらない。先ほどと同じようにとぼとぼと帰りかけた爺さんが入り口近くで叫ぶ。「あった!」。掲げた手にはキーホルダーが握られている。どうやら入り口を開けるときに、傍らのテーブルの上に鍵を置いて行ってしまったようだ。

とんだ爺さんに遭遇した夜だったが、不思議とそんなに不快ではなかった。おれはよそ者。爺さん、ここはあんたの店だ。いろいろあったけど、おつりの100円はちゃんとあんたの財布に入っているよ。鍵も見つかってよかったね。今日も、悪いことはひとつも起こらなかったんだよ。いつかまた会えるかな。お達者で。





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【2013/08/16 17:04 】 Drinking | コメント(2) | トラックバック(0) |

早いもので、もう3月。気象庁は、今日関東地方で「春一番」が吹いたと発表した。つい先週までは、寒さも厳しく、冷えた身体に染み入るような熱燗のうまさがこたえられなかったが、昨日あたりからはスルリと喉を落ちていく冷や酒が恋しい気候となった。

恵比寿に、その昔「第三の新人」と呼ばれた文人たちが集ったという有名な老舗居酒屋がある。この店では、何も言わずともお通しが3品出てくる。特別に手が込んでいるというわけではないのだが、そのどれもが酒呑みにはうれしい上質な酒の肴となっている。それほど食が太い方ではない俺などは、このお通しで日本酒を2、3本いただくのが、呑むのも食べるのも適量という感じで重宝している。

少し前に訪れた折にお通しに出てきたサヨリの刺身の透き通るような身と繊細な味わいは、春の訪れを予感させた。昨夜は菜の花のぬた和えも登場して、いっそう春の趣きを深くしていた。お通しとはいえ、そのひとつひとつに季節を織り込んでいく心遣いがいかにも老舗の居酒屋である。おかげさまで風流とは縁遠い呑んだくれでも、こうして一丁前に季節を愛でることができる。日本の素晴らしい酒文化に、乾杯。



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【2013/03/01 15:28 】 Drinking | コメント(0) | トラックバック(0) |

俺がよく顔を出す横丁は、同じ間口の店が軒を並べ、小さな路地にさまざまな電飾看板と暖簾が氾濫し、いかにも呑み屋街という風情を醸している。この季節、風を入れるために大きく開かれた店の入口に、小粋に染め上げられた暖簾が揺れる様はなかなかに良いもんだ。

暖簾には、風や光が直接中に入らないようにするという、機能的な役割がある。加えて、屋号・商号や家紋などを掲げた看板として、また、営業中であることを示すサインとしての機能も果たしている。さらに暖簾は、店の「中」と「外」を分ける仕切りであると同時に、「自」と「他」の境界として両者を結ぶ、「結界」でもある。

このように、ただの布切れ以上の役割と意味合いを持つ暖簾だが、先日、いつもの横丁をぶらついていて、妙な「暖簾」を掛けた店を見かけた。何とその店では、暖簾の代わりにレース地のカフェカーテンを代用しているのだった。屋外に掛けられたカフェカーテンというものに、初めてお目にかかった。確か、つい最近まではごく普通の暖簾が掛かっていたと記憶しているのだが。季節柄、店頭を涼しげに見せる演出効果を狙ったのかもしれないが、それにしても、その安っぽいお洒落感覚は如何なものだろう。俺なら、店を選ぶ際にこの手の店は真っ先に除外するな。ひらひらの薄っぺらなレース地が、かたくなに俺の侵入を拒んでいるかのようにすら見える。ひょっとすると、俺のような招かざる客を遠ざける魔除けなのかもしれない。




Feeded by morning star
【2009/07/07 13:06 】 Drinking | コメント(2) | トラックバック(0) |

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